このブログはこれまでの機械学習の経験について振り返るために書いたものです。

近年ChatGPT、Dall-E、Teslaなどの驚異的な成長を背景に、機械学習(ML)は大きな注目を集めています。この潮流を見て、 MLを学びたいとお思いの方も多いことでしょう。しかし、無限とも言えるMLの世界に飛び込む前に、一度立ち止まって 「本当にMLを学ぶ価値があるのか?」を問いかけてみましょう。
キャリアとしてのML
もしあなたがMLエンジニアになれば高収入を得られると考えているなら、それは間違いではありません。 Glassdoorによると、日本のMLエンジニアの年収はボーナスなどを除いても一般的に600万円から950万円に及びます。 (Indeedによるとアメリカであれば年収は100万ドルから250万ドル、日本円で1600万円から4000万円ほどにもなる。) さらに、米国労働統計局は2021年から2031年の間に21%の雇用増加を予測しており、求人が増えることを示しています。 では、お金やキャリアを主な動機にすべきでしょうか?私は絶対にすべきでないと考えます。
MLは難しい
機械学習は、数学、科学、工学の多くの分野を含む学際的な分野です。ある程度MLエンジニアとして役に立つ人材になるためには、 多くの概念を学ぶ必要があります。このため、ML関連の仕事の求人のほとんどは、少なくとも修士号、博士号、または一流の学術誌 に新しい論文を発表していることが条件に含まれます。MLエンジニアになるには多くの犠牲を払う必要があり、それが高い給与の理由です。
MLは競争が激しい
難しいだけでなく、MLは非常に競争が激しい分野です。この地球上で最も頭の良い人々が、毎日新しい高性能モデルをリリースしながら、 最高の機械学習モデルを開発するために競っています。大学や企業は開発を加速させるために計算リソースへの支出を増やしており、 個々の開発者がペースについていくのはほぼ不可能です。たとえMLエンジニアになったとしても、最新の進歩に遅れずについていくために 常に努力する必要があります。
MLは骨が折れる
多くの初心者は、MLの最新技術を見て、MLエンジニアは常に最新技術を駆使して全ての課題を解決できる魔法使いであると錯覚します。 しかし現実はそう甘くありません。MLは魔法でも万能な解決策でもありません。それは非常に強力なツールですが、マスターするのは非常に難しく、 退屈で膨大な作業が必要です。スプレッドシートのデータをクリーニングしたり、何千行もの(しばしば暗号のような)コードをデバッグしたり、 トレーニングプロセスを監視したりするのに数日、数時間を費やすことになります。ニュースで見る輝かしい技術の背後には、 エンジニアによる膨大な量の退屈な作業が隠れています。
誰がMLを学ぶべきか?
私の意見では、次の条件に当てはまる人がMLを学ぶのに最適です:
- 数学と科学が大好き
- もの作りが大好き
- 他人のために(目立たなくても)退屈な作業をするのが大好き
- (任意)MLに関わる人生のミッションがある
最後の条件は、医療、金融、交通などの分野で、イノベーションを追求する準備ができている人に当てはまるかもしれません。 お金や名声だけを求めているなら、MLはあなたにとって適切な分野ではないでしょう。しかし、何かを好きかどうかを確かめるためには、 まず試してみる必要があります。少なくとも一度はMLに挑戦してみることを強くお勧めします。もしMLを学び始めることを決心したり、 現在ML学んでいるなら、あなたの成功を祈っています。
リソース
- Glassdoor. 2024. Salary: Machine Learning Engineer in Tokyo, Japan 2024. Glassdoor.
- Indeed. 2024. Machine learning engineer salary in United States. Indeed.
- US Bureau of Labor Statistics. 2024. Computer and Information Research Scientists. US Bureau of Labor Statistics.